在宅介護のしんどさ

在宅介護のしんどさ

介護士は在宅で生活されるご利用者様に、介護サービスを提供するにあたり、どのご利用者様のおうちに何時にお伺いすること、という事業所のコーディネーターが決めたスケジュールに従って在宅のご利用者様のおうちにお伺いすることになります。

コーディネーターの役割をする人物は、ご利用者様の最新のご容体やご性質はもちろんですが、ご利用者様のお世話をさせていただくことになる介護士たちの性格、家族形態、そして得意分野を把握しています。

コーディネーターにはまた、どの介護士が、当日に急に、家族や本人の体調、または急な冠婚葬祭などの事情のために休まなければなならない、といった事情を考慮しながらの非常に臨機応変なスケジューリングが常に求められることになります。

しかしながら、介護士のスケジュールを決めるこのコーディネーターだけに、スケジュールの采配を任せることは、難しいことなのです。

介護の各事業所には、介護日誌などと呼ばれる、いつ誰が閲覧してもご利用者様の最新の事情がすぐに呑み込めるための大切な記録があります。

大きな介護事業所では、パソコン上でこの介護記録を書き込み、介護士や、定期的なご利用者様との面談が義務付けられているコーディネーターなどが、新しい情報を得て書き込んだとたんに、その情報をネットを介して全スタッフが共有できる仕組みが整っている組織もあります。

しかし、慢性的に人出不足な上、限られた予算の中で、それぞれのスタッフが、自身の体をフルに使っているからこそ日々の業務が成り立っているというのが、長年の日本の介護業界の現状です。

そういったこの国の現状にあって、ご利用者様のお宅から帰ったばかりの全ての介護士が、いつでもすぐに使えるだけの台数のパソコンを揃えることは、小さな介護事業所では経済的に、残念ながら不可能なのです。

加えて、ご利用者様ごとに、ケアプランと呼ばれる、介護の具体的な内容を考えることを役割としているケアマネージャーと呼ばれる立場の人は、3年に1度改定される介護保険制度を、その改定ごとに、細かな改定部分まで頭に入れておかねば、ケアプランを練ることができません

さて、日夜仕事をしている介護士にとって、もっとも苦しい時期の一つは、これらの全てがうまくかみ合わず、
ご利用者のお宅へ伺う日時の変更が、連日のように正しく伝達されない時です。

例えば、普段そのご利用者様のお宅に伺っている決まった介護士の欠勤が出たとします。

その欠勤を補うために別の介護士がお宅を訪問することになるのですが、
作業日誌を読んでも、これから伺う、ご利用者様の最新のご様子を把握しきれない場合があります。
なぜなら、作業日誌には、介護用語ではなく、看護用語と受け取れる、ご利用者様の持病についての記述が書き込まれている場合があり、初めて訪問するお宅のご利用者様の抱えられている症状を、一人の介護士が当日の数分の事前学習では、正しく把握することが困難であるからです。

事業所内や介護士の間で、インフルエンザが流行ってしまった場合は、次々と介護士の代役が必要になり、
コーディネーターが頑張っても、介護士が次の訪問先に到着する時間が間に合わないといった事態が続きます。

地域によっては車で移動、自転車で移動と様々な交通手段で介護士はご利用者様のお宅へ伺いますが、どうしても、人も時間も不足して、間に合わないのです。

介護事業所の皆ががんばっても、ご利用者様に負担が掛かる日々が数週間続いてしまい、連続する夜勤により睡眠時間が削られることが続いたスタッフたちが疲れ切っていき、こういったサイクルが数週間が経過してしまった場合に、私は介護の仕事を辞めたくなったことが何度かありました。

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